埋没法を検討している方や、すでに埋没法を受けた方の中には、『もし糸が取れてしまっても、二重のラインが自然に残ってくれたら嬉しいな』『本当に二重の癖がつくことってあるの?』と期待や不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、埋没法が取れた後も、自然に二重の癖がついてラインが維持されるケースは実際にあります。
この記事では、なぜ埋没法で二重の癖がつくのか、その詳しいメカニズムや癖がつきやすい人の特徴、そしてもし癖がつかなかった場合の対応策まで、専門的な視点からわかりやすく解説します。あなたの疑問や不安を解消し、理想の二重を手に入れるための一歩をサポートします。
埋没法で「二重の癖がつく」ってどういうこと?
「埋没法(まいぼつほう)」という二重にする手術を考えている方や、もう手術を受けた方の中には、「もし手術で入れた糸が取れても、そのまま二重の線が残ってくれたら嬉しいな」と期待している方もいるのではないでしょうか?
この「二重の癖がつく」というのは、まさにその期待通りの状態のことなんです。
「二重の癖がついた」ってどんな状態?
簡単に言うと、埋没法でまぶたに入れた糸が取れたり、ゆるんだりした後も、手術をしていないみたいに自然な二重の線がまぶたに残っている状態を指します。
まるで前からずっと二重だったかのように、まぶたの細胞や組織が新しい二重の線を「記憶(きおく)して」、自分自身の力でその線をキープできるようになるのです。
これは、多くの人が埋没法に求める結果の一つで、手術がうまくいって、さらにまぶたが二重の線をしっかり「学習」した証拠とも言えるでしょう。
「そんなこと本当にあるの?」と思う方もいるかもしれませんが、実際に埋没法を受けた方の中には、何年か経ってから「糸が取れてしまいましたね」と言われたり、自分では気づかないうちに「あれ、いつの間にか手術した時と同じ二重が残ってる!」という方が少なくありません。
これは、手術で一時的に作られた二重の線が、毎日まばたきをしたり、時間が経ったりするうちに、まぶたの皮膚や中の組織にしっかりなじんで、「折り目がついた」みたいに残った結果だと考えられています。
しかし、残念ながら、全ての方に二重の癖がつくわけではありません。まぶたの形や性質、体質、手術のやり方、それから手術後の過ごし方など、様々なことが関係してくるためです。
次の話では、なぜ二重の癖がつくのか、詳しい仕組みと、癖がつきやすい人の特徴についてもっと詳しく説明していきますね。
なぜ?埋没法で二重の癖がつくメカニズムと定着しやすい条件
埋没法で二重の癖がつく現象は、単なる偶然ではありません。まぶたの内部で起こる、ある種の「学習」と「定着」のプロセスによるものなのです。ここでは、その詳しいメカニズムと、どのような条件が重なると癖がつきやすくなるのかを解説します。
1. 糸で留めている間にまぶたの組織が二重のラインを「記憶」するメカニズム
埋没法では、医療用の細い糸を使ってまぶたの皮膚と、二重のラインを形成するのに重要な「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」や「瞼板(けんばん)」という組織を縫い留めます。この状態が一定期間続くことで、以下のような変化がまぶたの内部で起こります。
- 組織の「学習」と「癒着(ゆちゃく)」: 糸によって常に二重のラインが形成されることで、そのライン上の皮膚や皮下組織が繰り返し折りたたまれ、周囲の組織とわずかにくっつくような変化(癒着)が起こることがあります。これは、例えるなら紙を何度も同じ場所で折り続けると「折り癖」がつくようなものです。
- 組織の薄膜化・引き込み: 埋没法で二重が形成されることで、そのライン上の皮膚が常に引き込まれた状態になります。この繰り返しによって、ライン部分の皮膚やその下にある結合組織が薄くなり、より折れ込みやすい状態に変化していくと考えられています。
このように、糸がまぶたにある間に二重のラインが習慣化され、その結果、糸が外れた後もまぶた自身がそのラインを保持できるようになる、これが「二重の癖がつく」メカニズムの核心なのです。
2. 二重の癖がつきやすい人の特徴・条件
全ての方に二重の癖がつくわけではありませんが、以下のような特徴や条件が当てはまる方は、比較的二重が定着しやすい傾向にあると言われています。
- まぶたが薄く、脂肪が少ない方: まぶたの厚みや脂肪が多いと、その重みで二重のラインがつきにくくなります。まぶたが薄く、余分な脂肪が少ない方は、ラインが形成されやすく、組織の折り込みもスムーズに進むため、癖がつきやすいと言えます。
- 比較的若年層の方(特に10代後半~20代前半): 若い方のまぶたは皮膚の弾力性や組織の再生能力が高いため、二重のラインが定着しやすい傾向にあります。年を重ねるにつれて皮膚の弾力が失われたり、たるみが生じたりすると、癖がつきにくくなることがあります。
- 二重の幅が自然で、広すぎない方: 広すぎる二重は、まぶたへの負担が大きく、ラインが維持されにくい傾向があります。日本人にとって自然な幅(狭め~ミドル幅)の二重は、まぶたの構造に合いやすく、結果として癖もつきやすいと考えられます。
- 元々二重になりやすい素質がある方(奥二重や三重の方など): 普段からむくみなどで一時的に二重になったり、奥二重や三重のラインがある方は、まぶたの内部構造が既に二重のラインを作りやすい状態にあるため、埋没法によってその癖が強化され、定着しやすくなります。
- 施術後のケアをしっかり行った方: 施術後のダウンタイム中にまぶたを強くこすったり、炎症やむくみを長引かせたりすると、二重の定着を妨げることがあります。医師の指示通りにアイシングを行ったり、目を刺激しないように過ごしたりすることで、二重のラインがより安定しやすくなります。
- 複数回埋没法を受けている方(ケースバイケース): 過去に埋没法を受けており、そのラインが薄くなったものの完全に消えていない場合など、以前の施術が「きっかけ」となり、組織に何らかの癖が残っていることがあります。再施術によって、その既存の癖が強化され、定着につながる可能性も考えられます。
これらの条件が全て揃っていなくても二重の癖がつくことはありますが、一般的には上記のような特徴を持つ方の方が、よりその可能性が高いと言えるでしょう。
二重の癖がついた!そのメリットと注意すべきデメリット
埋没法を受けた後、もし理想通りに二重の癖が定着してくれたら、それは非常に喜ばしい結果と言えるでしょう。しかし、良い面ばかりではなく、いくつか知っておくべき注意点も存在します。ここでは、二重の癖がついた場合のメリットと、考慮すべきデメリットについて解説します。
メリット:埋没法で二重の癖がつくと、こんなに嬉しいことが!
- メイクの手間が大幅に減る、または不要に! 毎日アイプチやメザイクなどで二重を作る手間から解放されます。朝のメイク時間が短縮され、メイク崩れの心配も軽減されるため、忙しい方にとっては大きなメリットです。
- すっぴんに自信が持てるように! 糸が外れても自然な二重が維持されるため、お風呂上がりや旅行先など、すっぴんの状態でも「まぶたの形が気になる」という悩みから解放されます。自分自身の顔に自信を持てるようになるでしょう。
- より自然でバレにくい仕上がりに! 埋没法の糸が外れているため、外部から異物感を感じる心配がありません。また、まぶたの組織が自然な折り込みを記憶しているため、手術したことが人にバレにくい、非常にナチュラルな二重ラインになります。
- 再手術の必要がなくなる可能性! もし二重の癖がしっかり定着すれば、将来的に再施術を検討する必要がなくなるかもしれません。これにより、時間的、金銭的な負担を減らすことができます。
- 目を閉じても自然な印象に! 糸による引き込みがないため、目を閉じた際にもラインの食い込みやポコッと浮き出るような不自然さがなく、より自然なまぶたの印象になります。
注意すべきデメリット:期待と異なる場合も
一方で、二重の癖がついたとしても、いくつかのデメリットや注意すべき点があります。
- 左右差が生じる可能性がある 片目だけ癖がついたり、左右で二重のラインの深さや幅が異なる「左右非対称」の状態になることがあります。埋没法の糸が両目同時に取れても、必ずしも左右全く同じように癖がつくとは限りません。
- 希望のラインとズレが生じることも 埋没法でデザインした元のラインとは違う位置に癖がついてしまったり、ラインが不自然に食い込んだり、三重になってしまったりするケースも考えられます。
- 完璧に「元の一重」には戻せない もし癖がついた二重の形が気に入らなかったとしても、一度癖がついてしまうと、完全に元のまぶたの状態に戻すことは非常に困難になります。修正には再手術が必要となることがほとんどです。
- あくまで「癖」であり、完全に永続的とは限らない 一度二重の癖がついたとしても、加齢による皮膚のたるみ、体重の増減、睡眠不足や疲労によるむくみなど、様々な要因でラインが薄くなったり、消えてしまったりする可能性はゼロではありません。
二重の癖がつくことは多くのメリットをもたらしますが、全てが理想通りに進むとは限らないことを理解しておくことが重要です。もし、癖がついた二重の形に不安や不満がある場合は、次のセクションで解説する対応策を検討してみましょう。
もし二重の癖が中途半端だったり癖がつかなかったら?
「埋没法で二重の癖がついたら嬉しいけど、もし期待通りにならなかったらどうしよう…」 そう心配している方もいらっしゃるかもしれません。残念ながら、すべての方に二重の癖が理想的な形でつくわけではありません。中途半端なラインになってしまったり、全く癖がつかずに元の状態に戻ってしまったりするケースもあります。
しかし、ご安心ください。そのような場合でも、理想の二重を目指すための様々な対応策や治療選択肢があります。
1. 再度埋没法を検討する
もし二重の癖が薄かったり、全くつかなかったりした場合は、もう一度埋没法を受けることが最も一般的な選択肢です。再施術を検討する際には、いくつかのポイントがあります。
- より効果的な施術法の選択: 前回の施術で癖がつかなかった原因(糸の留め方、本数、まぶたの厚みなど)を医師と相談し、今回はより取れにくく、癖がつきやすいとされる方法(例:より多くの点で留める、異なる糸の種類を選ぶなど)を検討することができます。
- デザインの再検討: もし前回の二重の幅が広すぎたために癖がつきにくかったのであれば、今回は少し幅を狭めるなど、まぶたの構造に合ったより自然なデザインに変更することも有効です。
- 期間を空けることの検討: まぶたの状態によっては、一定期間を空けてから再施術を行う方が良い場合もあります。医師の診断に従いましょう。
2. 切開法への切り替えを検討する
「もう埋没法で失敗したくない」「半永久的な二重を手に入れたい」と考えるのであれば、切開法への切り替えを検討するのも一つの選択肢です。
- 切開法のメリット:
- 半永久的な二重: 切開法は、まぶたの組織を直接処理して二重のラインを形成するため、埋没法と比べて非常に取れにくく、半永久的な効果が期待できます。
- 幅広いデザイン対応: まぶたの脂肪が多い方や皮膚がたるんでいる方でも、余分な組織を切除することで、よりはっきりとしたラインや希望の幅の二重を作りやすくなります。
- 癖づきを気にしなくて良い: 物理的に二重のラインを形成するため、「癖がつくかどうか」を心配する必要がありません。
- 切開法のデメリット:
- ダウンタイムが長い: 埋没法に比べて腫れや内出血が強く出やすく、回復に時間がかかります。
- 元に戻せない: 一度切開してしまったラインは元に戻すことが非常に困難です。
- 費用: 一般的に埋没法よりも費用が高くなります。
3. 自己判断での無理なケアは避ける
「どうにか癖をつけたい」という一心で、自己流でまぶたをマッサージしたり、不適切なアイプチを使い続けたりすることは、かえってまぶたへの負担を増やし、炎症や色素沈着、皮膚のたるみなどを引き起こす可能性があります。二重の癖を無理に作ろうとするのではなく、専門医に相談することが最も安全で確実な方法です。
4. 信頼できるクリニック・医師に相談することがカギ
どの選択肢を選ぶにしても、最も重要なのは、あなたのまぶたの状態を正確に診断し、最適なアドバイスと施術を提供してくれる信頼できるクリニックと医師を見つけることです。
- カウンセリングを重視する: 複数のクリニックでカウンセリングを受け、医師の説明の丁寧さ、リスクの説明、アフターケア体制などを比較検討しましょう。
- 症例写真や口コミを確認する: 医師の経験や実績は、症例写真や実際の患者さんの口コミからもある程度判断できます。
- 質問を遠慮なくする: 不安なことや疑問に思うことは、どんな些細なことでも遠慮なく質問し、納得した上で治療を選択しましょう。
もし埋没法で期待通りの癖がつかなくても、諦める必要はありません。適切な知識と専門家のサポートがあれば、理想の二重は必ず手に入れられます。
よくある質問(FAQ)
埋没法による二重の癖に関して、皆さんが抱きやすい疑問をQ&A形式でまとめました。
- Q埋没法で二重の癖がつくまで、どのくらいの期間が必要ですか?
- A
二重の癖がつくまでの期間には大きな個人差があります。 一概に「〇ヶ月でつく」と言い切ることはできません。早い方だと数ヶ月でラインが定着したように感じる方もいますが、一般的には施術後半年〜1年程度でまぶたの組織が安定し、ラインが定着しやすい時期に入ると言われています。まぶたの厚みや脂肪の量、二重の幅、体質などによって大きく異なるため、焦らず経過を見守ることが大切です。
- Qもし二重の癖がつかなかった場合、再施術で癖はつきやすくなりますか?
- A
再施術で二重の癖がつきやすくなる可能性はあります。 一度埋没法を行うことで、まぶたの内部組織にわずかながらも「折り癖」のきっかけが作られていることがあります。その状態で再度埋没法を行うことで、以前のラインが定着の助けになったり、より強固な癖として形成されやすくなったりすることが考えられます。また、再施術の際に、まぶたの状態に合わせて糸の留め方や本数を工夫することで、より定着しやすい二重を目指すことも可能です。
- Q埋没法以外で、自力で二重の癖をつける方法はありますか?
- A
完全に自力で半永久的な二重の癖をつけることは、医学的には難しいとされています。アイプチや二重のり、二重テープなどのアイテムを使うことで一時的に二重を作ることはできますが、これらは皮膚の表面に接着するタイプがほとんどで、まぶたの内部組織に永続的な変化を与えるものではありません。長期的に使用すると、まぶたの皮膚がかぶれたり、たるみの原因になったりするリスクもあります。安定した二重の癖を目指すのであれば、医療機関での埋没法や切開法を検討することをお勧めします。
- Q一度二重の癖がついた後でも、将来的に一重に戻る可能性はありますか?
- A
はい、一度二重の癖がついたとしても、将来的にラインが薄くなったり、一重に戻ったりする可能性はゼロではありません。 二重の癖は、まぶたの組織が二重のラインを「記憶」している状態ですが、加齢による皮膚のたるみ、まぶたの脂肪量の変化、体重の増減、体調不良によるむくみ、目を強くこする癖など、様々な要因でラインが不安定になることがあります。しかし、一度癖がついた場合は、完全に元の状態に戻るというよりは、ラインが薄くなったり、幅が狭くなったりするケースが多い傾向にあります。
- Q癖がついた二重の形が気に入らない場合、修正は可能ですか?
- A
はい、癖がついた二重の形が気に入らない場合でも、修正は可能です。 ただし、一度定着した癖を完全に消して元の状態に戻すことは非常に困難です。一般的には、現在の癖のラインを修正する形で、再度埋没法を行ったり、より明確なラインを形成するために切開法を検討したりすることになります。修正手術は通常の施術よりも難易度が高くなる場合があるため、経験豊富な医師に相談し、ご自身のまぶたの状態と希望を十分に伝えることが重要です。
まとめ:埋没法による二重の癖は期待できるが、個人差を理解しよう
この記事では、「埋没法で二重の癖はつくのか?」という皆さんの疑問に対し、そのメカニズムから具体的なメリット・デメリット、そしてもし期待通りにならなかった場合の対応策まで、詳しく解説してきました。
最終的に最も大切なのは、埋没法による二重の癖は確かに期待できる可能性があり、実際にその恩恵を受けている方も多くいらっしゃるということです。特に、まぶたの構造や体質、施術後の過ごし方によっては、糸が取れた後も自然な二重のラインを維持できるケースがあります。毎日二重を作る手間から解放されたり、すっぴんに自信が持てるようになったりと、そのメリットは計り知れません。
しかし同時に、二重の癖づきには個人差が大きく、全ての方に理想的な形で定着するわけではないという現実も理解しておく必要があります。もし、左右差が生じたり、希望のラインと異なったり、あるいは全く癖がつかなかったりした場合でも、再度の埋没法や切開法といった選択肢があることを知っておくことが大切です。
最も重要なのは、ご自身のまぶたの状態を正確に把握し、無理のない理想の二重を目指すことです。不安を感じたり、より詳しい情報が欲しい場合は、必ず信頼できる美容クリニックの専門医に相談してください。経験豊富な医師との十分なカウンセリングを通じて、あなたのまぶたに合った最適な方法を見つけることが、理想の二重を手に入れるための近道となるでしょう。
埋没法は、あなたの魅力を引き出し、自信を与えてくれる素晴らしい手段となり得ます。正しい知識と適切な選択で、あなたが望む美しい二重を手に入れられるよう、心から願っています。